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2021年7月12日(月)
上越のDNA

石橋由紀子 山武グリーンカントリー倶楽部 前会長


 「母は、生ききりました」。お別れの会でのご長男の挨拶である。母とは、石橋由紀子。2019年5月逝去。享年74才。高田出身(実家は直江津にて会社経営)。Jネット会員。

 14歳頃から腎臓を病み、病院で受験した高田高校に入学するも治療のため退学、爾来、50以上の病気を抱え、移植を含む闘病の人生だった。早くに夫を亡くし、息子2人を抱え、生活のためにゴルフ関係の仕事に従事、その後、立ち往生していた千葉のゴルフ場開発を引き受けて見事、開場に成功する。さらに、成田近くのゴルフ場も入手し2つのゴルフ場のオーナーともなった。彼女のおかげで、高田高校同窓コンペは、毎年、その2つのゴルフ場で開催、今年で25回目となった。

 故郷上越や糸魚川への数々の寄付は言うに及ばず、自分が病んだ腎臓病の患者を減らすべく、多額な私財(かなり費消されたが現在も20数億円)を投じ、公益財団法人「石橋由紀子記念基金」(代表理事 庄山悦彦氏)を設立。毎年、腎臓病研究に突出した助成金支援を続けており、厚労省や医学界からも注目されている。

 交遊の広さも半端ではない。高校先輩の佐久間、庄山両財界首脳から日本郵政西川初代社長はじめ、広く、政財界、法曹界、医学分野やゴルフ・相撲界にまで至る。

 型破りのエネルギーと気配り。このすごいパワーは一体、どこからくるのか。生前、彼女の口から出たのは「小学校恩師О先生のおかげ」という言葉だった。運命を受け入れ、何事も恐れず、理不尽なことは許さない―それが、困難に立ち向かう彼女を支えたという。重病を背負い、絶えず死の恐怖を抱えながらもチャレンジし続けた彼女のそうした生き方は、どれだけ多くの人を勇気づけてきたか、計りしれない。同じ上越人として高く誇りに思う。

 彼女のご長男は東大医学部を卒業し、現在は日赤医療センター部長、その御子息も東大医学部在学中。ご次男もソルボンヌ大でフランス中世文学を研究、博士号を取得するなど、お二人とも広く社会で活躍されている。彼女は去ったが、社会のために尽くしてきた彼女のDNAは、しっかりと受け継がれている。

                                     (令和元年12月 伊藤 利彦 記)